親子共有でマイホーム購入をご検討のお客様へ

不動産取引に失敗しないための基礎知識

自己資金の出どころからの贈与税対策、単独での住宅ローン申込金額の上限等のご理由からの連帯債務型ローン等。様々なご事情からご夫婦もしくは親子で、不動産ご購入の際に共有名義になされるお客様がいらっしゃいます。

「これから夢のマイホーム」をお考えのお客様に水を差す気持ちは一切ございませんが、ご参考までご一読いただけましたら幸いです。

以前にご相談を頂いた内容ですが、お母様と未だ独身の息子様とで金利も安い時代だしこの機会にマイホームの検討をなされていらっしゃるとのお話でした。お母様はお務めですがパート社員、息子様は正社員とはいえ未だお若いのでご収入も息子様単独では少しお借入が難しい物件のご購入をご検討中。只、決して高額な物件をお選びではなく、月々のお支払額は今のお家賃よりも安価に収まる計算でした。

諸事情から、お母様を主債務者、息子様を連帯債務者として親子リレー償還でのお借入をご提案させて頂いたのですが、贈与税のこともございますので、どうしてもお母様と息子様の共有名義にする必要がございます。
一緒に住むのだから問題無いのでは?とお二人ともお考えでいらっしゃたのですが、30年以上のお借入となる住宅ローンですから・・・。息子様がこの世に生を受けてから今日に足りない期間のローンです。これからご結婚もお控えで少し年の離れたご兄弟もお二人、しばらくは同居のご予定とのこと。何か心配なことはありますかとのご相談でした。

ご家族皆様は仲が良くても将来ご結婚やお子様のご出生もおありです。当然息子様よりお母様の方が年上な訳ですから自然の摂理で考えますと、お母様の相続が先行されることになります。ここからが問題です。連帯債務型ローンですから、当然持分に応じたご返済をなされていらっしゃるかと考えますが実際はどうでしょうか?毎月10万円のご返済の内、毎月きっちり通帳に痕跡を残してご返済をなされる方は少ない様に思います。親であれば少し多めに支払うのも自然では無いでしょうか。
只、将来お母様に相続が発生した場合、この不動産の共有持分も当然に相続財産となります。法定相続分で考えますと、3人兄弟でしたら、それぞれ1/3の持分となります。

お母様は一緒にローンを払ってくれたのだから、この家はご長男にと思っていらっしゃったとしても、相続人であるご兄弟の承諾が無ければ単独で所有することも売却することもできません。相続人となるご兄弟だけなら出なかった問題も、2次相続・3次相続となると血縁関係も薄らいでくる為、トラブルになったと云う事例も過去に読んだ記憶がございます。

権利と登記内容は、時としてご本人の意思とは異なる結果を招きかねません。

そこで、単純に共有登記をしただけでそのままにしていては、後にこの様なトラブルも想定されることから、私もまだ勉強中の身なので詳しい内容は今回差し控えさせて頂きますが、将来「家族信託」も検討の余地があるかとご提案をさせて頂きました。他の財産のご状況により、遺言と云う選択肢もございますが、今すぐで無くとも将来いろいろと見直しが必要になる場面があると云うお話でした。

今回は、「将来のことはゆくゆく考えよう」と云うご相談者様のご結論から、より具体的な調査をしておりませんでしたので、「共有名義はじっくりお考え下さい」と云う程度に留めさせて頂きます。具体的にご紹介をさせて頂ける「勉強」が出来た段階で、家族信託の内容については触れさせて頂きます。ご容赦ください。

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