「売りたくても売れない」他人事ではありません。実家の対策。

「少子化、核家族化」。一時騒がれはしたものの、その後表立ってメディアにも登場しなくなったフレーズですが、大小・難易度は別にして私自身年齢も重なってきたこともあってか、最近ご実家の今後についてご相談を受ける機会が多くなった気がします。

あるご相談者様の例で、親が施設に入所し実家が空家になっているがこの際、売ってしまう方が良いのか誰かに貸す方が良いのか?と云うご相談を頂きました。親御様は、ややご年齢的にも認知症の兆しはあるものの、未だ受け答えは出来?、親が存命の間に売ってしまうのも何か申し訳なく、只このまま空家にしていても手入れが大変だったり貸すとなればそれなりのリフォームが必要で出費も大きくなるし・・・・・。どうしたら?と云うお話しでした。

ご相談者様のプライバシーのこともございますので、このご相談に対しての回答は本文では控えさせて頂きますが、「売る」にしても「貸す」にしてもいずれも法律行為に抵触し、親御様の認知力つまり行為能力の有無が売買・賃貸共に可否の要になってきます。「貸す」のであれば法律行為で言う「管理行為」になりますのでハードルは未だ低いのですが、「売る」となった場合、「処分行為」に該当し、特に「ご自宅」の売却の場合はご本人の意思確認が出来るか否かが相当大きなハードルとなり、この「意思確認」の返答が曖昧な場合、司法書士の先生も登記官も売却(登記)を認めてくれません。この場合家庭裁判所に成年後見の申立を行い、裁判所の売却許可を得たうえでご実家の売却となるのですが、お身内が後見人になる場合、大抵成年後見監督人が裁判所に任命されます。

「成年後見監督人が任命されても自宅が売却出来るならいいじゃない。」と思いがちですが、一旦任命されると親御様がご存命中の間はずっと後見監督人が付され、売却した代金を含め財産の使途が制限(管理)されてしまいます。「お金は親の物だから自分たちが使うつもりも無いので制限・管理されても問題無し。」とも思いがちですが、世の中「ただ(無料)」のもの等ございません。誰が支払うかは別にして、被後見人となる親御様がご存命中の間は、「ずっと」成年後見監督人に対し「報酬」を支払う義務が生じてしまいます。逆に言うと少し辛口な言い方ですが、親の資産が後見報酬でじわりじわりと減ってしまう。と云うお考えが出て来る方も少なくないのでは無いでしょうか?

ここで「タイトル」の通り、親の物は親の物だから「その時」が来るまでは「そっとしておこう」としておくと、「その前」に急な入用が出来たとしても「売りたくても売れない」「介護の為に費用が必要なので自宅を売却して現金化」と云ったご家族のご希望に対応出来ない場合も想定されます。

「生きている間」に話し辛い内容ではありますが、「終活」と云う言葉も最近良く耳にする時代になりましたので、機会があれば親御様が「元気な間」に、ご自宅を含めたご資産の話をしておく方が良いかもですね。

今迄耳にしたことも多々おありかと思われる「遺言」や「成年後見制度」とは別に、「家族信託」も最近注目を浴びてきています。

当社では、司法書士、弁護士、税理士等各士業とも提携しながら「ワンストップ」で不動産に関するご相談を承っております。ご不安なこと等ございましたら是非お気軽にご相談ください。